上野原通信 No.265

ムラサキシキブ(シソ科 Callicarpa japonica Thunb.)は、北海道から九州、琉球列島まで広く見られ、国外では朝鮮半島と台湾に分布しています。低山の森林にごく普通に見られ、特に崩壊地などにはよく育っています。冬芽は芽鱗で保護されておらず、裸芽と呼ばれています。秋には紫色の果実を多数つけます。名前の由来は、平安時代の紫式部から。もともとムラサキシキミ(実が重なる意)と呼ばれていたと言われます。

 

別種にヤブムラサキ(C.mollis Siebold et Zucc.)があります。実の付き方が少なく、葉に軟毛が密生しているので、葉を触れば区別がつきます。

 

ムラサキシキブの名で栽培されているのは、別種のコムラサキ(C. dichotoma)が多いです。実が小ぶりで、数が多くついています。葉の先端のみが鋸歯です。

 

新型コロナウイルス感染症の第8波が現実的になってきました。外出規制は出ていませんが、自然観察には辛い時代が続いています。高齢であるし、基礎疾患もあるので、感染しないよう、重症化しないよう気遣いをしながら過ごしています。

2022.11.24 川田 好博