上野原通信 No.260
ツユクサ(ツユクサ科 Commelina communis)の花は面白いです。花弁は3枚。上部の2枚は青く大きいですが、下部の1枚は小さい。雄しべは6本。上側の3本、下側左右の2本、下側中央の1本で、形も機能も異なっています。稔性のある花粉を作るのは、左右の2本。中央の1本は昆虫のライディング用。上側の3本は誘引用。雌しべは1本。朝咲いた花は、昼頃にはしぼみます。
万葉集にも、月草・鴨頭草として9首載っている、古くから知られた花です。
つき草に衣はすらむ朝露にぬれての後はうつろひぬとも
詠み人知らず(巻7 1351)
コロナ禍もあるし、歳のこともあって、だんだんと外を歩くことが少なくなってきました。少しでも時間があれば、自然を見つけに歩き回っていた頃のことが懐かしい。体力的なことから、高い山に登るのは、無理になりました。30kgの荷を担いで歩いたことも夢のようです。高度は稼がなくても、花の写真を取れる場所を探して、少しでも日常から脱出して過ごすことができないか、考えている日常です。
2022.6.26 川田 好博