上野原通信 No.259
リュウキンカ(キンポウゲ科 Caltha palustris var. nipponica)は、日本固有種ではなく、中国、朝鮮にも自生しています。水辺や湿地を好みます。花期は5月~7月。しばしばミズバショウの群生地に見られます。長野県奥裾花湿原で撮影しました。鬼無里の奥にあります。鬼無里村も今は合併し、長野市に。戸隠連峰の西側、新潟県境に近いところです。2016年5月にも行こうとしましたが、林道の崩落によって果たせなかったところです。ミズバショウの大群落が発見されたのは、1964年のことです。
花柄が立ち、黄金色の花なので立金花。
花弁はなく、花弁のように見えるのは萼片。ふつうは5枚ですが、6~7枚も見られます。萼か花弁かの区別は悩ましいものです。萼は、花被(萼と花弁)の中でも葉的要素が強いといわれます。緑色をしていれば、萼とすぐに判別がつきますが。構造的、発生の過程などの知見が必要です。
見た目で判断すると間違うことは、自然でも社会でも同様でしょうか。フェイクが我が物顔で横行しているこの頃です。
2022.5.21 川田 好博