上野原通信 No.258

カラマツ(マツ科 Larix kaempferi)の球果です。日本の固有種です。長野県を中心にした本州中部地方に自生します。日本の針葉樹では、ただ一つの落葉針葉樹です。枝のふくらみは、短枝です。短枝から多数の葉が束生します。
 北原白秋の「落葉松」を思い出します。
からまつの林を過ぎて、/からまつをしみじみと見き。/からまつはさびしかりけり。/たびゆくはさびしかりけり。
 白秋が、信州星野温泉(軽井沢)に滞在したときに作ったと言われています。浅間山麓も自生地の一つです。北アルプス上高地もカラマツが生えていますが、そこは、植林されたものです。新緑の季節も、黄葉の季節も眼を楽しませてくれます。
 カラマツは成長期にねじれるので建築材には不適当と言われていましたが、集成材にすることで、その欠点を克服し、構造材としても使えるようになりました。
 食料にしても、材木にしても、自国生産、自国消費を基本にすべきだと思います。環境保全と人類の未来は切り離せません。
2022.4.13  川田 好博