上野原通信 No.300

ヤマトリカブト(キンポウゲ科 Aconitum japonicum subsp. japoni-cum)。日本固有種。本州の関東地方の栃木県から中部地方の愛知県にかけた太平洋側に偏って分布し、低山帯から山地帯の林内、林縁、草原に生育します。花期は8-11月。花弁のように見えるのは、萼片。上萼片は、僧帽の形をしています。その中に、花弁が隠されています。

 トリカブト属の植物は、全草有毒です。アコニチン系アルカロイドを含有しています。この10年間で9件の中毒事件が発生し、16人が罹患、1人が死亡しています。ニリンソウやヤブレガサと誤認し、中毒症状を引き起こしています。

 長野県蓼科山の中腹にある御泉水自然園で撮影してきました。見事な群生がありました。蓼科山は、八王子東高校に在職していたとき、何度も1年生の集中登山で引率をした思い出の地です。

 上野原通信は、都立高校の教員を退職した2005年4月23日にNo.1を出しています。あれから20年、300号に達しました。当初は月に2本も出していたときもありましたが、いつからか、月に1度の頻度になりました。

2025.10.7 川田好博