上野原通信 No.290

 キジョラン(キョウチクトウ科 Marsdenia tomentosa Morr. et Decne.)は、つる性の多年生草本です。8月から11月にかけて小さな白い花を咲かせますが、楕円形で11-13cmにもなる大きな果実をつけます。冬になるとその中から綿毛を持った多数の種が飛び出してきます。その綿毛が、鬼女の髪の毛を連想させるので、キジョランと名付けられました。朝鮮半島から日本に分布します。照葉樹林の林内から林縁にかけて生えます。アサギマダラの幼虫の食草として知られています。キジョランは、毒性の強いアルカロイドを含む有毒植物です。アサギマダラの幼虫はこの葉を食べることで、体内にアルカロイドを取り込むことで自らを有毒化して、外敵から自らを守っていると言われています。ハート型の葉に丸い食痕があると、葉裏に幼虫がいるかもしれません。

 12月議会で、気候変動について取り上げました。調べていくと、いくつも知らないことにぶつかります。現在は氷河期であり、その中で氷期と間氷期に分かれていることや、気温の変化が、ミランコビッチ・サイクルといって、地球の公転軌道の離心率の変化、地軸の傾きの変化、歳差運動によって周期的に変動することが1920年代にわかっていたなど、知的な興奮をもたらしてくれました。現在の学校教育が、こうした人類的課題に対して応えきれているのか、考えさせられました。

 

2024.12.16 川田 好博