上野原通信 No.269

コブシ(モクレン科 Magnolia kobus)は、モクレン科の中でも早く開花します。花被片は9枚、外側の3枚は小さく広線形で萼片状、内側の6枚は大きく花弁状になっています。雄しべと雌しべは花軸上にらせん状に並んでいます。モクレン科は進化論的に古い植物なので、維管束植物の中でも原始的な特徴を持っています。

 

北海道、本州(東海地方を除く)、九州(一部)、韓国の済州島など、冷温帯から暖温帯の北部に分布しています。

 

コブシと言えば、笠木透の歌(私の子どもたちへ)を思い出します。

 

♬生きている鳥たちが/行きて飛び回る空を/あなたに残してやれるだろうか父さんは/目を閉じてごらんなさい/山が見えるでしょ/近づいてごらんなさい コブシの花が見えるでしょ

 豊かな自然を残すために、何ができるのだろうか自問が続きます。大量生産・大量消費の時代は終わりつつあります。技術革新の原動力が企業の儲けとは違うシステムが必要な時代です。こうした社会の到来には、一人ひとりが自然と社会のシステムをきちんと理解するだけの素養が必要ではないかと思います。

2023.3.21 川田 好博