上野原通信 No.252

リンドウ( Gentiana scabra var. buergeri リンドウ科) の花を大蔵高丸に続く湯ノ沢峠で見つけました。リンドウは、山地、丘陵地、湿った山野、草原に自生しています。かつては、水田近くの草地によく見られましたが、近年は見ることが少なくなっています。定期的に草刈りが行われているところでは、リンドウのような背の低い植物が生き残りますが、手入れを怠ると、背の高い植物に置き換わってしまいます。植物の世界は微妙です。リンドウは上野原市の花に指定されています。

 

地方によりリンドウの別名に、イヤミグサ、ケロリグサというのがあるそうです。胃病み草、全草に苦みがあり、健胃薬として使われたようです。

 

大菩薩嶺から南に派生する尾根は小金沢連峰と言います。ここには、白谷ノ丸、大蔵高丸、ハマイバ丸と丸のついた山名が並びます。朝鮮語で頂を表わすそうです。縄文時代以来、日本と朝鮮半島の関係は、私たちが考えているよりもっと親密であったと思われます。東アジアの諸国がもっと友好的な関係を取り結ぶことができるようになるのは、いつのことでしょうか。

    

2021.10.14 川田 好博