上野原通信 No.251
ヒガンバナ(Lycoris radiata ヒガンバナ科)は不思議な花です。9月中旬ごろ、突然花茎を伸ばし、花を咲かせます。花が咲く時期には葉がありません。土中の温度変化で花を咲かせる時期を知ります。原産地の中国大陸では、種子をつける種がありますが、日本にあるヒガンバナは、全て三倍体で、種子ができません。球根によって増えていきます。自然には分布域を広げることはできません。別名曼殊沙華は、サンスクリット語 manjusakaの音訳と言われています。法華経に由来することから、寺院や墓地に植栽されることもあります。全草有毒で、モグラなどの害獣対策のために植えられることもあります。
アルカロイド毒がありますが、水に晒すことによって毒を抜き、救荒食として利用されたこともあります。
韓国では相思草と呼ばれています。「葉は花を思い、花は葉を思う」花の時期が終わると葉を出し、夏には、地上部は枯れてしまいます。
新型コロナウイルス感染症の拡大の先行きは、不透明です。科学的知見に基づかないフェイクニュースが満ち溢れています。論理的な思考を受けつけない憑き物を落とすためには、何が必要か迷うこともあります。
2021.9.20 川田 好博