上野原通信 No.247

 ニワゼキショウ(Sisyrinchium rosulatum アヤメ科)。草地や芝生に群生する一年生草本です。アメリカ・テキサス州を中心に自生しているものが、明治時代、雑草的に日本に渡来し、野生化したものです。花弁は薄赤紫色のものと白色のものとがあります。どちらも中心部は黄色です。花期は5月~6月。球形の蒴果を作ります。

 

日本ではS.atlanticumを学名とするのもみられますが、こちらは多年生で、雌蕊が花被より長くなっている特徴があり、別種です。

 

「栴檀は双葉より芳し」は、センダン(Melia azedarach センダン科)ではなく、ビャクダン(白檀Santalum album ビャクダン科)を指しています。白檀は香木でいい匂いがしますが、センダンは、ほとんど香りがありません。中国名と和名は特に注意が必要です。実物と名前が別々に渡来しているから、こんなことが起こります。楓は、日本ではカエデですが、中国ではフウを指しています。

 

民主主義は多数決という曲解も同じようなものです。国民の多数の意思とは違う政権は、倒すことができるという革命的な内容を民主主義は含んでいます。 

  

2021.5.19 川田 好博