上野原通信 No.244

 

 フクジュソウ(キンポウゲ科 Adonis ramosa) 。スプリング・エフェメラル、春を告げる花です。元日花、朔日草(ついたちそう)とも呼ばれています。福寿草もおめでたい名前です。陽がさすと開花するのは、太陽光を集めて温度を高め、昆虫を誘引するためと言われています。また、早春に活動を始めるハエの仲間は、黄色に反応しやすいともいわれています。虫媒花の生殖活動を促進するための合理的な進化が、私たちの目を楽しませてくれます。

 キンポウゲ科の植物は、有毒なものが多いです。フクジュソウも有毒です。利尿作用や強心作用もあるので、民間薬として利用されることもありますが、副作用が強く、安易に使うことは危険です。

 歳をとるといろいろと不都合が出てきます。診察券も何枚も持たされています。昨年は入院もあり、確定申告では医療費控除の対象となりました。病気に対する不安もありますが、それに加えて医療費の経済的負担も心配の対象です。社会保障費の削減が次々に打ち出されています。高齢者を大切にしない政治では、若者も安心できません。いずれ、若者も高齢者になります。  

2021.2.15 川田 好博