上野原通信 No.295
キクザキイチゲ(キンポウゲ科Anemone pseudoaltaica)。北海道、本州の近畿地方以北に分布し、落葉広葉樹林の林床などに生育します。高さ10-30 cm。花期は3-5月で、白色~紫色の花弁状の萼片を持つ花を一輪つけます。萼片は8-13枚、花弁はありません。
春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラルの一種です。近縁種のアズマイチゲは花被片が白色しかなく、葉も深く欠刻しません。
山梨県では絶滅危惧種ⅠB類に指定され、近い将来、野生での絶滅が心配されています。写真は、長野県姫川源流で撮りました。
3000m級の山に最後に登ったのは、2005年のことです。穂高連峰に単独で行きました。その後は、尾瀬や千畳敷などを歩くことはあっても、本格的な登山はできなくなりました。特に左ひざの故障が気になって、重たい荷物を持つことに躊躇があります。歳相応に、ということでしょうか。それでも、日本の豊かな自然を求めて、歩きたいという気持ちに衰えはありません。
いつもでも豊かな自然を守っていきたいと思います。
2025.5.9 川田好博