上野原通信 No.246
オオアマナ(Ornithogalum umbellatum キジカクシ科)。アマナに似ていますが、ヨーロッパから西アジアにかけて自生する多年草です。アマナはユリ科で、科も違います。と言っても古い分類体系では、オオアマナもユリ科でしたが。RPG体系では、目のオーダーでも異なるようになりました。明治時代に観賞用として輸入されたものが、野生化しました。英名はstar of Bethlehem。キリストの生誕を知らせたベツレヘムの星になぞらえました。
DNA分析が自動化されたので、植物の分類体系も大きく変化しました。polymerase chain reaction PCR検査は、あまりにも有名になりました。PCR法をキャリー・マリス(Kary Mullis)が発明したのは1983年です。
科学技術の進歩は目を見張るばかりですが、この科学技術を正しく使えるかどうかは、はなはだ覚束ないと言わざるを得ません。PCR検査は精度は低いなどとまことしやかに言われたのは最たるものです。科学的な正確性がなければ、これほどまで多岐に渡った分野で応用されることはなかったでしょう。もちろん万能ではありません。科学的な知見に基づく判断が必要になってきている時代ということでしょうか。
2021.4.25 川田 好博